「サスケ…どうしてるかなぁ」
陽だまりの中で考えるのは、漆黒の鱗を纏う想い人。
毛づくろいに勤しんでいた手を止めて、空を見上げる。
まだ、半月も経ってないのに。
「…会いたいってば」
キラキラと日差しを受けて輝く金狐は黒龍が好む自分の尾に目を落とした。
かんがえちゅう
ナルトは自室の大きな寝台に寝そべると懐に大事にしまっていた物を取り出した。
赤い水晶のような綺麗なサスケの角。片手に収まるそれは、一番初めにもらった物だ。
大分前にもらったというのに、それはずっとほんのりと熱を帯びている。
「段々大きくなってってるよな」
会った時に取れるとくれる角は、段々枝分かれするようになって長さも長くなっていく。
「…もらってばっかだってば」
一番新しい角は自分の顔ぐらいの長さにもなっていて立派な物だ。
「何かお返ししたいってば」
本人に聞いても「別にいい」と断られてしまうから、自分で何かを考えて。
「時間はあるんだし」
会えるまでの長い長い時間は何かを準備をするにはちょうどいいかもしれない。
あの人には、一体何を贈ればいいだろうか。
金狐は今日も陽だまりの中で悩んでいる。
終
「つのとしっぽ」シリーズの金狐ナルトです。
あれ? この二人付き合ってないはずなんだけどな…。
サスケの角はあったかいです。持ち主の手を離れてもあったかいのでナルトの部屋はいつでもあったかいのです。
なにせ取れた奴を律儀に毎回ナルトにあげてるので相当な数ですよ。左右両方ともあげるから。
離れていても、ずっとサスケのことでいっぱいなナルトでした。
三月にサイトを始めて移転した五月あたりまでフリー配布します。
お気に召した方はどうぞ。
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