例えお前が望まなくともお前が行く場所ならそこがどこであろうと共に在る。
お前の隣。
お前の背。
お前の先。
全てが俺の世界の全て
何にも渡しはしない。
決して。





請求権





暗部の所属命令は思っていたよりもあっさりとしたものだった。
暗部という性質上、拝命書一つない。唯一言、火影の言葉のみ。
「ナルト、たった今からお前を暗部所属に命ずる」
「…ばぁちゃん、すっげぇイキナリだってばよ」
「コラ、ふざけるんじゃないよ」
ニシシと笑ったナルトに五代目火影である綱手は怒ったように柳眉を逆立てた。美人であるに加え、元来の気迫からかなり恐いものがあるはずなのだが、実際には腹を立ててなどいない事が分かっているのでナルトの笑みは変わらぬままだ。
「で、どうするんだい。受けるのかい?受けないのか今すぐはっきりしな」
木の葉の忍のトップである火影の人事命令だが絶対に断れないということも無い。
里が任務を受ける受けないが自由なように、どのような忍として生きるかは多少は選べる。
「もっちろん、受けるってばよ」
「そうかい…受けるか」
「受けるに決まってるってばよ。だいたい暗部に入りたいって俺が先に言ったんだってば」
「そうだったねぇ。三ヶ月前だったか?突然暗部への入りたいって言ってきたのは」
「突然じゃないってばよ。ずっと言ってたのにばぁちゃんが許可してくれなかったんだろー」
ぷぅっと頬をふくらませた顔にこれで17かと綱手はつい苦笑する。
「お前に出来るかどうか見極めたかったのさ。まだ早いと思ってたしねぇ」
「やれるってばよ。…やらなくちゃいけない。暗部は俺が行くって決めた道にある。何であろうと逃げねぇ。それが、俺の忍道だ」
いたずら小僧のような表情が消え、感情をよく表す澄んだ眼の青が強く激しい意思を映し、濃くなった。
きっと引き締まった忍の顔に綱手は頷く。
楽しそうに。
「ならこれ以上言う事もないね。任務やお前が入る部隊はまた追って連絡する」
「承知」
パンッと小気味良い音が火影室に響いた。


夕方も過ぎてから呼び出された所為か火影室を出ると、夕陽が紅すぎるほど焼いた身を宵闇に沈めようとしていた。
見る間に変わった深い藍色に同居人を想い出し、次いで別れ際綱手に言われたからかいが頭に浮かぶ。
『ところでナルト、お前うちはのガキに暗部入りについて何も言ってないだろう?』
『そうだけど…どうして解るんだってばよ?』
『あいつが何にも言ってきてないからねぇ。知ってりゃとっくの昔に自分も入れろと押し掛けて来てるだろうよ』
『何だってばよ、それ。そりゃサスケも上を目指してるんだし、暗部入りを考えるのは当たり前だけど言わないのは俺とは関係ないってば』
『本気で言ってるのかい?そりゃ……ふぅん、その顔見るとそうらしいね。まぁ良い、もう行きな』
うちはの奴も苦労する、と可笑しそうな声が閉まり掛けの扉の合間からナルトの耳に入った。
「もう。ホントに何だってばよ、綱手のばーちゃん…そりゃサスケにはいろいろ苦労ってか、迷惑掛けてるけどさ」
主に私生活で心当たりがありすぎるだけに下手な反論が出来ない。
アパートの更新手続きを忘れ長期任務中に契約が切れてしまったのが契機で、サスケの家に同居する事になったのはもう半年も前。
三ヶ月ぶりに任務から帰ってきた途端、老朽化もあり取り壊すからと管理人にすまなそうに言われ、呆然としているナルトの隣で、サスケが「やっぱり」と嘯いた。
その言葉を問い詰めた処、サスケはナルトが任務出る前に更新手続きが近い事に気付いていたと白状した。
本人曰く「確証がなかったから言わなかった」らしいのだが、それでも一言言ってくれれば良かった、サスケのせいで行くとこなくなっただろ、と理不尽な怒りをぶつけるナルトにあっさりと「ウチにくれば良い」と言い放ち、止める間もなく荷物を持ち出してさっさとうちは邸に行ってしまいそれを追いかけて。
気付けば同居していた。
あれよという間に始まった同居生活だが、持ち家だからと家賃を頑として受け取らないの上に、家事は一応分担制だが食事に関してはほとんどをサスケがやっている。
ナルトにしては有り難い事が、サスケには負担でしかないだろう。
「うーー。やっぱ俺ももうちょっとメシ作れるようになった方が良いってば?」
毎日三食ラーメンといった栄養の偏りとそれ以外の料理の駄目さ加減に於いては素晴らしい評価を得られた過去とは比べ、今はそれなりの物は作れる自信はあるのだが、二人でいると下手をすればプロ顔負けの物を作ってしまうサスケの料理を口にする方が圧倒的に多い。
ついついその味の良さと元来あまり器用でない己の手先が加勢して作らせてばかりいるが。
「サスケのばっかってのもなぁ〜」
「俺の何がどうなんだ?」
「ぎゃっ!」
歩きながら考えていたことを意識せずに頭から出してしまった台詞に突然の返事が返り、心臓が跳ね上げられた。
右の耳朶が近くに捉えた声に振り向く。
「お、驚かすなってば。サスケ」
「別に気配を完全に殺してたわけじゃねぇだろ。気付けよ、ドベ」
「ドベいうな!ちょっと考え事してただけで…」
最早生体反応並みに反してしまう反論を口に乗せたナルトにサスケは口の端だけを上げてから、話題を転換、というより元に戻す。
「へぇ。俺の何を考えてたのかよ」
「何でサスケのコトって分かるってばよ?」
「お前がさっき言ってたんだろ。俺のばっかってのも、とかなんとか。何でもいいからさっさと聞かせろ」
サスケは無口で冷静沈着などと言われているがその実、短気だ。特にナルトが絡めばその驚くほどの狭量さは少しでも親しければ誰でもが知っていることである。
ナルト自身も己が絡んだ場合のみ、とは解かっていないがサスケがこういった場合酷くせっかちなのは長い付き合いから良く知っていたので、少々強引な物言いでも気にしない。
でないと下らない口喧嘩がすぐに始まってしまう。それこそスリーマンセルを組んでいた子供の頃のように。
「あー、何っていうかメシの話」
「メシ?」
「オレももうちょっと作るようにしたほーがいいのかな、って。いっつも一緒に食べる時ってサスケが作ってばっかじゃん?」
「口に合わなかったか?」
「んなコトねぇって!オレ、サスケの作るの全部スキだもん。どれもすっげーウマイし」
サスケの見当違いの誤解を慌てて否定する。
本当にそんなわけではない。口に合わないどころかむしろ合いすぎるから、サスケが作ってくれたご飯が美味しくてしょうがなかったからついつい甘えてきてしまったくらいで。
「ならいいだろ」
「でもさ、サスケしんどくね?他の家事もそーだけどメシって毎日のコトだし、やっぱオレももーちょっと色々やった方がイイかと…」
「別に負担に思うんならハナっからやらねぇよ。元々こっちは自炊してたんだ、誰かさんと違って。一人分増えたところで前と大差無い」
「むー。なんだってば。折角人がいつも悪いなぁと思って言ってんのに」
つんと尖らせた唇と膨らんだ赤い頬の幼さい仕草に不似合いなはずの感情がサスケを侵食していく。
上目遣いで睨んでも効果など全くないというのをいつか教えるべきか、と頭の隅で思う。
勿体ないからきっと教えはしないが。
「そう思うんなら…」
「ん?ナニ?ナニ?何でも言えって!」
酷く顔を輝かせてきたナルトに。
「キ、」
「き?」
「昨日の塗り薬調合のメモでもくれ」
「あー、ヒナタのヤツね!任せろってばよ!」
にかっと本当に嬉しそうな、目が惹かれずにはいられないその笑顔に。
キスをさせてくれ、と言えたらどれだけいいか。


食べ終えた食器を片付けたサスケが居間に戻ってきた時、ナルトは風呂から上がったばかりだった。
ソファに腰に座り、濃くなった金色の髪を重くしている水分を拭き取っているナルトに麦茶を渡して隣へと腰を降ろす。
よく冷えた香ばしい麦茶が喉を潤し、ほぅとナルとが息をつくのを見計らって切り出す。
「今日、呼び出されてたな。またヘマでもしたのか?」
中忍とはいえ、ほぼ上忍と同じレベルと見做されている二人は、お互い高ランクの任務を受ける事が多い。 その為あまり任務内容を口にする事が出来ない事もあり、それを分かっているから極力訊かないようにはするが本日、ナルトは任務は無かったはずである。
だがサスケが任務を終え、受付所に報告書を提出した時ナルトが五代目に執務室にいると耳にした。
突然の任務でも入ったのかと気になり、家に帰る事なくナルトが出てくるのを待っていたのだが、やがて出てきたナルトは普通に家へ帰り、その後も忙しい様子も、慌てる様子も、何かの準備をする気配さえもない。
そして対照的にサスケの裡は酷く落ち着かなかった。
気になってしようがない。
これといった明確な何かがあるわけではなく、ただ胸のあたりが嫌なのだ。
受付でナルトが呼び出されたと聞いた時から不快とも、不安ともとれるような、不明瞭な何かが巣食り、蠢いていて、ずっとそれが収まらない。
いつもなら投げつけたからかいに面白いほど即座に反応するのに、ただ静かに黙って言葉を選ぼうとしている今も、いやより一層に。
「あの、さ。ホントはあんま言っちゃいけないんだろーけど、何となくサスケには知ってて欲しいっつーか…」
切り出された言葉に。
「何がだよ」
それは大きくなり。
「オレ、暗部に入った」
息が止まるかと、思った。
同時に煩いぐらいに騒いでいた不快感が膨れ上がりぴたりと凍結する。
「…はっ、冗談は止めろ」
もし鏡が目の前にあったならば酷くおかしな顔をしていただろう。
笑っているのか怒っているのか自分自身でも分からない。
言葉はしっかりと聞こえ、その意味を理解する知識も己の中にしっかりとある。
だが、瞬間的に浮かんだのは否定だった。
意味の否定。聞こえた言葉自体の否定。そう言ったナルトの意志の存在の否定。
どれも願望でしかありえないのに恐ろしく強くサスケの中で荒れ、掻き乱した。
「む。冗談じゃねーってばよ。…そりゃ、オレの実力じゃまだまだ見合ってないかもしれないけど、やってみせ」
「そういう意味じゃねぇよ」
不貞腐れた顔をしながら、揺るぎの無い声でまっすぐにサスケを見つめてくる青い瞳に苛立ち、遮る。
「じゃあどーゆー意味だってば?」
「似合わねぇ。テメーが行く所じゃねぇだろ」
「似合わないってそんなの理由になってねーって」
「なってなくても何でもそうなんだよ。兎に角止めろ」
「嫌だってば。もう決めたし、決まった事だ」
「今からならまだ間に合うだろ。断れ」
別に諸手を挙げて賛成してくれるだなんて思ってもいなかったが、理由になっていない強制的な反対にナルトの反発心が膨らんでいく。
「だから!止めないってば。大体何だよ、似合わないって。ならサスケは似合うのかよ!?」
売り言葉に買い言葉的に言い返されたそれに、サスケは僅かな沈黙の後頷いた。
ナルトという存在を一言で言うならば、光。
彼を知る人物ならば多くが、否、必ずそう答えるだろうと思う。
ただ眩しいだけでない、ちゃんとその後ろにある影をも知っている光、だと。
そして伝え聞く暗部は闇だ。
影ではなく、闇。
それだけが全てではないが、名に暗殺を頂く里の薄黒く汚い部分を引き受ける里の闇。
ナルトよりもむしろ己こそが行くべき場所だろうとずっと思っていた。
己と言うものをそれなりには理解するようになった今ならば、明瞭と分かる。
常にどこかにある闇に染まる本質が、ナルト以外なら他者を切り離しても初めから麻痺していたようにどうとも感じずにいるナルトが持ちはしない性質がある事が。
そういった物を持った連中ならば暗部であろうとも、元来ある部分だからかそ己を保ち、引きずり込まれはしないだろう。
だがそれとは全くの反対の存在ならばどうだ。
もしこの光が、強すぎる光が闇と反発しあい、万が一にでも引きずり込まれたら。
必死に生きて、出来たこの存在の本質が変わってしまったなら。
そして何より単純に命を落としたら。
側にナルトがいなくなったら。
思考し、導きだされていく予想に恐怖すら感じ、サスケは息苦しさから声が上手く出せない気がした。
「ああ。お前が行くぐらいなら代わりに俺が行ってやる」
実際はごく自然に、傲慢ささえ感じるほどにすんなりと出して、ナルトを怒りで血を昇らせ、透き通った青を濃くさせる。
「ふっ、ざけんな!代わりって何だよ!?誰も頼んでなんかねぇし、オレは誰かがやるからとかじゃなくて自分から暗部に入るって決めたんだ!」
「んなのは分かってるし、頼まれなくてもそうするっつってんだ!騒がしいドタバタ忍者のテメーよか俺の方が良いんだよ!」
「んだよ!オレだって隠密行動くらい出来るってば!」
「だからそういう意味じゃねーって言ってんだろうが!」
「だからだったらどういう意味だってばよ!?」
「わざわざ汚れに行く必要なんざねぇって言ってんだよ!…お前はっ、何でも呑み込む癖に、そんな奴が余計なモン背負いに行くなっ!」
敵だろうが味方だろうが関係なく、関わった奴らから向けられる感情、行動。全部を受け止め呑み込む。
決して拒絶しない。
暗部で関わるのは表に出るような綺麗な(だけとは言えないがそれでもずっとマシな)ものではない。
そんな事をしていて変わってしまったら。
例え命を落とさなくともいつかサスケの隣から居なくなってしまうかもしれない。
「そんなのは、許さねぇ」
絞り出すように小さく吐かれた言葉と急にくしゃりと歪んだ顔に、ナルトはそれまでの理不尽な物言いに対する怒りが萎えていく。
泣いてないけれど、泣いているようで。泣かせたのが自分みたいで嫌な感じだ。
ワガママで勝手だよな、とこっそり溜め息をつく。
「…サスケが許す、許さないの問題じゃねーってば」
「分かってる」
「オレは、火影になるんだってば」
一言、一言を区切るように放たれた何度も何度も聞いた言葉は、記憶しているものより確りとしていた。
下忍の頃から言い続け、聞く度に決して口にはしなかったが、実現させるだろうと思っていたナルトの夢。
昔はその殆どが全くと言っていいほど信じなかったが、徐々に現実味を帯び初め、ごく親しい者の間ではそれが当然の事と思われるようになっている。
「…分かってる」
「将来火影になった時の為に暗部をちゃんと知りたい。どういう所か、サスケの言う、この里の中のオレに似合わない所ってのがどんな所か。ちゃんと知って、どうするか決めたい」
「…………」
青紺の瞳が逸らす事を許さず、サスケを捉え。
「だから、行くんだ」
打ちのめされた気がした。
分かってはいた、分かっていたつもりだった。
決して屈する事のない、ナルトの前へと決して止めないその歩みに、一歩を繰り出す強さなんて今更、確かめるまでもなく身に染みて、サスケ自身が救われてきたのだから誰よりも分かっているつもりだったのに。
「ホント言うとサスケがさ、そんな心配してくれんのはちょっと、てかかなり嬉しかったんだけど…でもオレは暗部に入る」
心配なんかじゃない。
そんな優しい感情などではなく突き詰めた本音は側にいてくれなくなるんじゃないかと言う不安が齎した唯の独占欲だ。
未だ長年抱き続けてきた気持ち一つ言えないのに、こんな醜い本音を言えず、ただ無言で肯定してしまう己に更に嫌悪をし、増えた眉間の皺にナルトは小さな子供の我が儘をあやす様な、困った笑みを浮かべる。
「ごめんな?んでサンキュ」
そう言ってほんのりと目元を赤くした。
ああ、もう何も言えない。
本来ならナルトが謝るべき事など何もない。
ナルト自身が言ったようにサスケが許す、許さないと言えるべき事では無いのだ。
それでも、こうしてまた受け止め、しっかりとその身にサスケの気持ちを残してくれる。
そういうナルトだと分かっていてしたサスケの卑怯さなど消し去ってしまうくらいの美しい強さ。
これに勝つなんて出来ない。
「ウスラトンカチ」
「うるせーバカサスケ」
ニシシっと笑ったその顔にキスが出来たらとまた思った。


さわ、と開けた窓から入る夜風は真夏であろうとも心地よさを含んでいた。
部屋の窓の側で忍服のまま着替えもせず夜風をただ身体にあてていた。
結局、初めからあいつ自身が選んだならばその行く先に干渉する事など出来るはずもなかった。
出来ないという事を再確認しただけだ。
奥底で望んでいる今以上の関係を手に入れられるかどうかなんて物の前に、今の位置を保ち続けるのさえ侭なら無い。
それでも。
それでも、この場所を決して無くしたくない。
その隣。その背。その先。
全てを誰にも渡したくない。
『何でも言えって!』
夕暮れの中で笑ったナルトの台詞が甦る。
「だったら…」
風に紛れるような低い呟きを零したサスケの黒曜の眼が深紅を滲ませ闇夜を射抜く。
この位置を要求する権利を俺以外には認めるな。
己だけに求める事を許すように。
友情でもなんでもいいから、キスの前にそう思わせるのが先だと、額に掛かった黒髪をくしゃりとかき上げた。
その希望の低さに沈みそうになるが、諦めるつもりもない。
一拍の後、見事な瞬身の術が使われるのをとうに眠りについたナルトが知る事はなかった。
深夜。
非礼にあたる時間など、気にした様子など欠片もなく現れたサスケの姿があまりに予想通りで綱手は一人声を上げて笑った。
「お前を他のヤツと組ませただけでアタシを睨み付けてくる奴が、お前一人を暗部に行かせたりするわけがないだろう」
サスケが帰り、また一人きりになった火影室で頭の中で即座に組み立てた人員編成をもう一度確認する。
そうして酷く味の良い日本酒で月見酒を堪能した。


「今日からこの部隊に新たに所属する事になったうずまきナルトだ」
部隊長であるネジが紹介し、狐の面をナルトは取った。
ゆらゆらと揺れる蝋燭の炎を反射し、暗い室内に不似合いな程眩い金色の髪と空の青が現れ、その場にいたものは知っていたはずなのに息を呑む。
だが、そんな反応にナルトは全く気付かない。
そして望んでいた暗部入りの筈なのにその表情は芳しくない。
にこやかにするのもおかしいが、緊張や真剣な、といったものでなく不機嫌さが顔中に現れていた。
らしくない、と思う所だがその理由に心当たりがあるのでネジは不審には思わない。
「そしてこっちが同じく今日から所属が決まったうちはサスケだ」
すっと酉の面を外した下から端正な顔が現れると同時にナルトの口がますます尖った。
「…………どーいうコトだってばよ?」
「何がだ?」
「何がって、なんでサスケがここにいんだよ!?」
「お前聞いてなかったのか?今日から暗部に所属」
「だ・か・ら!なんでサスケが暗部所属なんだってばよ!?オレってば聞いてないし!」
「言ってねぇから、ってか一昨日申請して昨日決まった所だ」
「昨日!?なんか決まんの早くね?てかサスケまで暗部に来る事ないじゃん!オレにはあんだけ反対したクセに!」
「言っただろーが。ドタバタ忍者のお前と俺は違うんだよ」
「ムキーー!」
多くの――と言っても一部隊だけだが――暗部隊員の前で始まる下忍の子供のような喧嘩にネジは溜め息をつく。
きっとこの先何度もつくであろう。
馬鹿馬鹿しい、ついた後、ふと気が軽くなるため息を。
顔を真っ赤にして怒るナルトにほんの少し眼を緩め、すぐさま引き締めると腹に力を入れた。
声をよく通らすために。










(終)


え、えーっとつまりサスケは筋金入りのストーカーだと!(死んでこい)ナルトの事になら様々なセンサーがついてるし!(黙らっしゃい)
初めて書いたサスナルです。わ、わけ分かんない内容でごめんなさい;シリアスでストカ属性全開なサスケが書きたかったんですが…纏まりも流れもない駄文、失礼しましたー!(土下座)


'05/03/18