感情はない。
それは思い込みでも教訓でもなく。









事実









色が変わる。
グラデーションのように自然であっというまに七色をも凌駕するほどに鮮やかに。
同じ色の筈なのにそれは感情を纏い空気すらも染め上げていく。
それは熱を感じるほど強く、明瞭だ。
彼の感情に呼応するかのように。
黄金を溶かして陽の光に透かす事が出来ればあのような色になるだろう髪も、一つとして同じもののない空のような瞳も、逆上して血の赤を浮かばせる白滋の肌も、それら全てが変化を見せる。
一時たりとも見逃す事を許さないように。
もっと怒るかと予測した。
忍にしてはありえないくらい、愚かしさと単純さを持っているから安い挑発にまた乗るのだと。
怒りという感情は冷静さを欠かせ、何かを深く読み込ませ、分析するという事を非常に困難にさせる。
隙を見せるつもりは毛頭ないがこちらの思惑を探られる僅かな可能性を摘み取るのもまた必要だから常に行う安い挑発。
それに見事に乗ってくれていて、乗せるのをより簡単にするキーワードも至極明快で分かり安い。
裏切り者の名前、それだけだ。
そこにちょっと彼が認めたがらない事実を付け加えてやるだけでいい。
案の定怒気を孕ませ、きっとまた喚き散らすのだと予測したのに突きつけられた言葉と視線は予測と違い、見せられたのは計り終えれたはずのものとは違う色。
更に違うのはそれを受けた己自身の反応だ。
こちらに向けておきながら、決して向かってこないあの激しい色に対するざわざわとした酷く、良いとは言えないこれは。
これは、違う。
感情ではない。
この言葉も興味でもない。
全てはあの方から与えられた任務を全うするためのより成功率を上げるためのものだ。
予想外の反応に対する分析を、今後のうずまきナルトへの心理分析に使う為の必要な情報収集であってそれ以上でも以下でもない。
だから、こんなものがあるはずがない。
どれだけ怒りを持ち、嫌悪感を抱いた相手とも組めると言った馬鹿に、裏切り者へ向けられた感情に対して生まれるものなどあるはずがない。
感情はない。
そう言った。
それは思い込みでなく、己への教訓でもない。
あんな、あの九尾の餓鬼ごときへ持つ感情などない。
兄への思いが無いのだからあるはずがない。
感情はない。
これはただの事実だ。
事実の確認だ。





















(終)


独白ってあまり書かないようにしようと思ってるのですが、今週萌えすぎて声にならなかっ…!
全てはあの一コマ。
お陰でこんなん書いてて今書いてるの(サスナルパラレル)が進まねぇ…!
どどどどどどどうしたら良いとですかーーーー!!!!




サイがサッケをゴミ虫ヤロー発言をした前後、サイ→ナル妄想ハッスルで書きなぐったかと;
おおおおお目汚しを失礼しましたー!


'05/12/19

'07/7/6